書評

【書評】転職と副業のかけ算/moto

【書評】転職と副業のかけ算/moto

今回は、2019/8/9に発売された、転職と副業のかけ算についてレビューを書かせていただきます。

こちらの本は、発売と同時に初版は2万部がほぼ売り切れ、発売7日目にして「1万部」の追加重版が決定、Amazonランキングで1位、楽天ブックスでは一時在庫切れを起こすなど、話題が尽きない話題作になっています!

タイトルの通り、転職についての考え方やノウハウ、サラリーマンとしての知見を生かした副業について語られているビジネス書です。

著者のmotoさんは、サラリーマン年収1,000万円、副業年収4,000万円のスーパーサラリーマンで、卓越した戦略思考で転職プランを描いて年収を上げていっています。

そんなmotoさんの幼少期から、学生時代の就職活動から振り返って、どんな考えでキャリアを積んでいったのか、そのノウハウが余すところなく盛り込まれたのが本書です。

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転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方 [ moto ]
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私も30代後半になり、かれこれ2年以上転職活動を続けていますが、motoさんの考え方はとても勉強になり、motoさんの職務経歴書を参考にしてアップデートしたところ、国内大手の上場IT企業、世界株価ランキングトップ100に入る外資系巨大企業、巨額出資を受けている新進外資系ベンチャー企業などの、難関企業の書類選考を通過できました!
※私がどんな職務経歴書を書いたのかは後半に触れます

転職に関するノウハウも豊富なので、転職活動してるけど書類選考で落ちてしまう、面接で聞かれたことにうまく答えられない、どんな転職先を選べばよいのかわからない、そもそも今の会社でいいのかどうかもわからない、と言った、転職で迷える人や今後のキャリアを考えていきたい人にはおすすめします!

こんな方におすすめ
  • 20~30代で転職を考えている会社員
  • これからのキャリアに悩みを持っている人
  • これから就職活動を始める学生
  • 自分の市場価値を高めたい人
  • 会社員としての知見を生かした副業がしたい人

これから労働人口の減少で転職市場は益々盛り上がる思いますし、とても参考になるエッセンスがたくさん盛り込まれていました。

本のざっくりとした内容はこんな感じです。

概要
  1. moto氏の経歴、職歴などのキャリアやバックグラウンド
  2. 年収と市場価値を高めるための思考法や仕事術
  3. 転職を成功させるための思考法と手段
  4. サラリーマンを軸にした副業での稼ぎ方

著者:moto氏について

著者のmotoさんを知らない人のために紹介すると、経歴は以下です。

1987年長野県生まれ。地元の短大を卒業後、地方のホームセンターに入社。リクルートや楽天など、4度の転職を経て、本業年収1000万円、副業年収4000万円を稼ぐサラリーマン。

現在は都内の広告ベンチャーで営業部長を務める傍ら、ブログ「転職アンテナ」などを運営。2019年には日本最大級のASP「バリューコマース」から年間MVPとして表彰。各種SNSを通じて、転職や副業、キャリアや営業戦略に関する知見を発信し、Twitterのフォロワーは1年で5万人を突破。連日のように転職や副業を考える多くのサラリーマンの悩みに答えると同時に、「東洋経済オンライン」や「新R25」など、数多くのメディアにも取り上げられている。

私もTwitterをフォローしていますが、毎回コメントの視点が鋭く、本質をついていて共感の呼び方など色々と参考になります。

感想

結論から言うと、転職であれこれ悩んでいた自分としては、買ってよかったと思える良書でした!

転職パート

数々の実績を残してきたmotoさんらしく、分かりやすくて全体的に共感を得る丁寧な文体でまとめている印象です。主に営業をやっているので、その経験を経てどのような転職の道を選んだのかがよく分かります。

営業としての実績の作り方や考え方はとても参考になりますし、数々の武勇伝が語られていますが、全く嫌味を感じないのは、失敗談もバランス良く取り入れ、そこから学んだ事を冷静に分析して謙虚に列挙しているからだと感じました。多分、motoさんは不要な妬みを買わないように、このあたりも計算して書いていると思います。初著書でここまで仕上げてくるのは流石ですね!

転職についても、転職で失敗した人、書類選考で落ちる人、面接が上手く行かない人などはどういうところに気をつけるべきか、転職サイトやエージェントをどう活用すべきかなど、非常に参考になることが書かれています。前述の通り、職務経歴書の書き方については私も参考にして、難関企業3社の書類選考に通過でき、良い結果を得ることができました。

その内容を紹介させていただくと、履歴書や職務経歴書の書き方で紹介されている手法はいくつかあるのですが、私が参考にした具体的な内容としては、「自分の役割を明確かつ定量的に書く」です。

私がこれまで職務経歴書に書いていた内容としては、いろいろなプロジェクトを転々としていたので、担当した業務全部と簡単な実績を年代ごとに長々と書いていました。自分でも見直すと、結局何が出来る人なのか、どんな強みがあるのかイマイチわからず、たぶん採用担当の人も流し読みで頭に入ってこなかったと思います(笑)

そこで、自分が結果を出せたプロジェクトだけにフォーカスして、それぞれ結果が出せたエピソードを具体的にまとめるようにしました。自分がどう考えて行動に移したのか、その結果どうだったか、などの結果が出せたプロセスを明示するように書いたのです。そうすると、採用担当者が読むべきポイントを押さえた、洗礼された職務経歴書になりました。

この、結果が出せたプロセスを明示については、私が以前にブログで書いた「転職の価値観マップ」でまとめたものを、そのまま職務経歴書に落とし込んだものなので、自分がどういう結果を出したのか、それをどうまとめればいいか分からないという方は是非そちらも読んでくださいね。

https://tenshoku-road.com/tenshokukachi/

こちらは、転職活動全体を補佐する内容で、離職理由をまとめるのにも役立ちます。

転職活動では、人によっては悩んでいるポイントや気付きの内容が違うと思うので、本書にも書かれていましたが、これからも職務経歴書は毎月1回は見直したいと思います。

転職を考えている人や、これからのキャリアをどうするべきか、悩んでいる人には是非読んで欲しい良書です。たぶん、悩みの6割は解決できると思います。



副業パート

一方、副業に関する記述は全体の25%ほどで、正直に言うと物足りない印象です。主に、motoさんがブログやnoteなどで収益を上げた実績やその考え方について語られていて、どのような戦略を取ったのかは非常に参考になります。それに、サラリーマンである以上、その知見を生かした情報やコンテンツを発信して収益を上げるという手法は、一つの最適解だと思います。

ただし、motoさんの実績や考え方が凄すぎて、副業経験のないサラリーマンが、いきなりmotoさんの考え方や行動をそのまま再現しようとしたのではかなり厳しいと思います。情報としては、副業中級者以上向けのもので、副業はどうやって始めたらいいのか、本書だけではイメージは湧かないと思います。

転職パートでは、年収を上げていく戦略や転職を成功させるためのプロセスが、就職活動時代の経験から遡って緻密に書かれていた分、副業の遍歴が断片的で物足りなさを覚えました。

恐らく、副業についてはmotoさんは早く結果を出せたので、苦労話や失敗談がほとんどなかったことが、物足りなさを感じた理由でしょうか。

motoさんの副業収入の時系列チャート図や失敗談などもあれば、より深みが出てわかりやすかったと思います。

とはいえ、motoさんが得た知見はほぼ余すところなく語られていますし、Twitterを活用法した個人ブランディング方は非常に参考になります。なので、副業に関してはまず本書以外で前提知識を得た上で、もう一度本書を読み直すとmotoさんが言っている意味がより腹落ちすると思います。

副業の前提知識習得については、私もこれまで色々と情報収集していて、特におすすめの動画(リベ大 両学長)を以下にご紹介します!

両さんは、自由(時間の自由・経済的自立・精神的自立)を得るための知識を配信している方で、何も縛られずに自由に生きている経営者でもあります。副業に関する知識も豊富で、本質の捉え方も含めてとても参考になります!

動画の詳細欄に、各副業についての詳細解説動画もあるので、自分に合いそうだと思う副業があれば、まずはそれについて情報を集めてみてくださいね!

まとめ

余談:気になったところ

本書の全体を通してですが、motoさんが仕事に対するやりがいについて触れていないのは違和感を覚えました。もちろん、市場価値を高めて年収を最大化することは、サラリーマンとしてとても大事な要素ですが、それと同じく仕事のやりがいも大きなウェイトを占めていると思います。例えば、人の役に立たない高価なサービスを売り続けて、年収や市場価値を高めてもモチベーションが続かないと思うんですよね。

仕事のやりがいについては、本書の本質(転職と副業を通じて年収を最大化すること)とはズレているので記載がなかったのかもしれませんが、motoさんの「仕事に対するやりがい」についての考えは、いつかの機会に聞いてみたいですね。

あと、motoさんの生涯年収8億円の目標について、投資も交えて生涯資産を最大化する考えはあるのか、気になりました。サラリーマンとしての給与所得と、副業としての事業所得に合わせ、投資による配当所得もあると、更に加速すると思うのですが。motoさんは投資はリスクが高いと判断してやらないだけでしょうかね?

motoさんが転職✕副業✕投資の分野を極めると、手がつけられない怪物インフルエンサーになると思います(笑)