コラム

【転職】年収交渉が失敗した話~歯科医院編~

はじめに

転職活動で面接まで進み、内定まで行くと年収の提示があります。

現職より高い給料か、はたまた低い給料を提示されるのか。

まさに天国と地獄とも言える瞬間かもしれません。

私も、これまでに自分の希望額を下回る年収の内定オファーを出されたことがあり、どうしても納得できなかったため年収交渉を行いました。

年収交渉を行ったのは2社あり、1社が歯科医院で、もう1社が楽天系のグループ会社という、一風変わった企業でした。

今回は歯科医院への転職活動で、年収交渉が失敗したお話です。

この失敗談を通じて、あなたの年収交渉の参考になれば幸いです。

歯科医院への転職で年収交渉が失敗した話

これは、私が歯科医院の面接を受けたときの話です。

「え?歯科医院?事務職か歯科衛生士か何か?」

と思われた方もいるかも知れませんが、私は専門的な資格もないですし、事務職も希望していません。

応募したポジションとしては広報・マーケティング職で、歯科医院のWeb広告やHP更新などを担当します。

そこの歯科の院長先生が若く、新しい取り組みを考えていたため、歯科医院としてはとても珍しい、マーケティング職で募集していました。

柔軟な考え方ができる人なんだろうと思い、面白そうだと思ったので応募しました。

選考について

そちらの選考はビズリーチ経由で中小の転職エージェントから紹介が来ました。

大きな歯科医院ではないものの、親族含めて合計で3院運営していました。

とてもニッチな業種だったため応募者が少なく、院長も難航すると思っていたため、驚くほどトントン拍子で話が進みました。

院長先生が面接官で、院長先生の父親が医院全体の統括をしているようでした。

私は当時マーケティング職の経験はありませんでしたが、似たようなことは仕事でやってきましたし、それなりのビジネススキルは持ち合わせていたので、2回の面談を経て内定をもらいました。

最終面談の際に院長が口頭で話してくれた年収条件が、現職より60万円アップの額でした。

特殊な勤務形態を交渉

最終面談を終えた際に、転職エージェントを通じてこのようなお願いをしました。

年収が4/5に下がってもいいので、週休3日制で採用を検討いただけないでしょうか。

こちらの条件で交渉した理由について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

完全週休3日制の条件を勝ち取った、戦略的転職交渉術転職で週休3日の条件を勝ち取った戦略について解説します!週5日働くのが当たり前、と思っていた価値観を揺さぶられ、面接で交渉しました。...

年収自体は現職をキープしつつ、週の休みが1日増える働き方を交渉しました。

先方からの返事は・・・

転職エージェントから降りてきた、先方からの最終的な提示額は3/5強の年収で、現職よりも60万円年収ダウンでした。

初年度に限っては80万円近くダウンです。。

現職の労働時間と、週休3日の場合の時給で割り直して計算したところ、本採用後はギリギリ時給では上回る結果となりました。

初年度は年収が下がって税負担も増えるため、さすがにこの条件は飲めない!と思い、転職エージェントに年収交渉をお願いしました。

しかし、そのエージェントは頼りなく(そもそも、返事が遅い、面接日の確定連絡をしないなど、信頼できる人ではなかった)、「先方がそう言っていますので。。」と、年収交渉もしてくれなかったため、自分で交渉を行いました。

自分で交渉

先方の温度感や転職エージェントの反応を見て、基本給でのアップは難しいと思った私は、院長に直接、インセンティブ制度の導入をメールで直訴しました。

入社後に私が行ったマーケティング施策により、新規の患者さんが増えた場合や、他院から自院の紹介が増えた場合に、月次でインセンティブが払われる、という契約です。

基本給の少なさを、インセンティブでカバーするという考え方で打診しました。

院長も基本給の少なさは心苦しく思っていたようで、インセンティブ含めた他の方法での採用について、前向きに考えては頂きました。

しかし、最終的には先方からの返事が来なくなり、内定の話自体、有耶無耶になって終わりました。

交渉を終えて思うこと

こちらの内定がなくなった理由としては、こちらの2点ではないかと分析しました。

  1. 私にマーケティングの実経験がなかったこと
  2. 私の年収交渉がやや強引で、相手に不快を与える内容が含まれていた

1については、院長も初めての試みなので慎重に進めたい、という気持ちが大きかったようで、私にマーケティングの実経験がないことは、面接やメールのやりとりをしていても会ったと思います。

大きく実力が不足しているということではないものの(そもそもその場合は内定を出さない)、大金を払って採用したい、という気持ちを持ってもらうことは出来ませんでした。

そして2について、私が送ったインセンティブ交渉のメールに、あとで振り返るとネガティブな印象を与える文面が含まれていました。

私も直接年収交渉をするのが初めての経験だったため、何度も見直して慎重に文面を書いたつもりでした。

しかし、自分の年収を上げたい!という一心で、相手への配慮に欠いた表現が含まれていました。

それが年収交渉の後半部分で、その年収交渉メールの一節がこちらです。

私としましても、モチベーションを最大限高く保って仕事をする事が、貴院に最も貢献出来ると考えております。

インセンティブが難しい場合、私の中で高い意欲を継続しての業務遂行が難しく、貴院にご迷惑を掛ける結果になると考えましたので、今回は誠に申し訳ございませんが辞退させて頂きます。

しかし、もしインセンティブ制度導入に御同意頂けるようでしたら、内容や金額面の調整に時間がかかると思いますので、御同意頂けた時点で今回の採用に関しまして、ありがたく受諾させて頂きます。

週休3日制を認めて頂いたことは私にとって大変魅力的で、本当に感謝しております。

不躾なお願いで誠に恐縮ですが、ご検討頂けますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。

全体のイメージとしては悪くないようにまとめたつもりでしが、

上記が難しい場合、私の中で高い意欲を継続しての業務遂行が難しく、貴院にご迷惑を掛ける結果になると考えましたので、今回は誠に申し訳ございませんが辞退させて頂きます。

この一文だけは要らなかったと感じています。

「この条件が飲めない場合はあなたの会社には入りません」と言っているようなもので、読んでいてとても気持ちの良い文章ではありません。

また、自分から「合意できない場合は内定を辞退する」と明言しており、労働契約の合意を早期で放棄してしまいました。

内定を採用者に通知すると、その時点で労働契約が成立するため、内定者が辞退しない限り企業側が一方的に契約破棄することは出来ません。

相手から交渉メールの返事が途中で来なくなったのは、これが原因だったと思います。

【相手に不快を与える&自ら内定を放棄する発言】で、私は先方と最終的な結論を導き出すところまでの交渉ができず、年収交渉を終えました。

まとめ

今回は歯科医院での年収交渉の失敗談をご紹介しました。

特殊なケースとはいえ、年収交渉でやってはいけないことは参考になるはずです。

まとめ
  • 相手にネガティブな印象を与える表現はしない
  • 年収交渉段階では内定辞退を匂わす発言はいっさい慎む

内定を出すということは、採用者側もとても慎重になりますし、精神的にも繊細になります。

相手に対して敬意を払い、内定を出していただいたことに感謝しつつ、相手もポジティブに年収交渉に応じて貰えるような文章を心がけましょう。

以上、あなたの転職で年収交渉を行い際の参考になれば嬉しいです。