コラム

完全週休3日制の条件を勝ち取った、戦略的転職交渉術

週休3日の労働条件を引き出した話

転職活動の中で、週休3日に出来ないか企業と交渉して、見事その条件でオファーを頂くことが出来たので、どのようにして勝ち取ることが出来たのか、まとめました。(2020年1月の話です)

今でこそ、週休3日の働き方も世間で少し注目されてきましたが、まだまだ認知度も実施している企業も少なく、週休3日で働ける環境は整っていないです。

今回も、もともとその企業では週休3日の募集はしておらず、イチから私の方で交渉し、相手に納得していただいた上で、その条件を勝ち取ることが出来ました。さらに、リモートワークの交渉も行い、そちらも許可をもらいました。

完全週休2日制の企業もそれほど多くない中で、【完全週休3日制】の勤務に出来ないか、交渉した顛末を記載させて頂きます。

募集内容と週休3日を勝ち取れたポイント

まず、私が応募した今回の求人について、以下に記載します。(特定できないように、一部情報は伏せています)

部署・役職名 ≪想定年収420~700万≫広告・宣伝・マーケティング担当
年収 400万 〜 700万
職種
  • 法人営業
  • 広報・PR・広告宣伝
仕事内容

☆年間休日125日以上!想定年収420万円~700万円。
☆業界未経験から目指せるマーケティング担当。
☆ホームページの更新(文章作成)、web広告の運用、パンフレットやリーフレットの作成など幅広い業務。

■募集ポジション

≪想定年収420~700万≫広告・宣伝・マーケティング担当

■雇用形態

正社員
試用期間(詳細) 6ヶ月(待遇変動 無し)

■祝日

水・日・祝日

■仕事内容

広告・宣伝・マーケティングをご担当いただきます。
広報活動の企画立案、広報誌の作成、ホームページ更新作業、市場調査など。

【具体的には】
月2・3回ほど、更新しているホームページへの掲載する文章の作成
インターネット広告やチラシ・リーフレットの企画・制作(外部制作会社への発注のディレクション)

 

募集内容としては、広報・マーケティングの職種で、割と自由度の高い仕事です。こちらは転職エージェント経由でお話を頂きました。従業員が全体でも10名ぐらいの小さな会社で、経営者と私が連携して業務を進める形になります。

当時、私は広報やマーケティングは未経験ですが、営業企画はやってきましたし、ブログもやっているのでHP更新も問題ないため、興味を持ったので応募することにしました。

1回目の面接の時に適性を判断頂いて、2回目の面接の時に実際に週休3日制の交渉を行いました。

今回、週休3日を勝ち取ることが出来た大事な要素としては、

  1. 知る事
  2. 相手の課題を把握する事
  3. 相手にとってのメリットを説く事

です。

それぞれについて解説していきます。

知る事

まず、正社員で週休3日と言う働き方がある事、色々な働き方がある事を知る事が大切です。自分が知らないことは、相手に交渉すら出来ません。

私が週休3日をちゃんと耳にしたのは、2019年8月に日本マイクロソフトが週休3日制を導入すると言う記事を見たのが初めてです。

日本マイクロソフトが「週休3日制」に挑戦 8月の金曜日を全て休みに https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1904/22/news132.html#utm_term=share_sp

とは言え、天下のマイクロソフトさんですし、「そりゃ、あれだけ資金もあって優秀な人ばかり集まってればそれぐらい出来るよね」と、どこか遠い異国の話に思っていました。当時の自分には全く関係のない話でした。

ところがある日、Twitterを見ているとこんな呟きが流れて来ました。

 

くぼけーさんが経営する、株式会社600という会社の、【毎日が「休日」か「休日明け」か「休日前」】と言うフレーズに衝撃を受けました。大企業でなくてもこんな働き方ができるのか!と。

Twitterを始めるまでは、こんな働き方がある事を身近に感じる事は出来なかったと思います。

この時の情報が私の頭の中に強烈にインプットされていた事が良かったです。いつか、こんな働き方が出来たらいいな、とそのときに感じました。

しかも、週の真ん中、水曜日に休みがあることは自分が働いた会社ではありませんし、今の会社も土日祝休みの完全週休2日制です。今回の募集があった企業が、水・日・祝日が定休だったため、「土曜日も休みたいし、じゃあ週休3日で交渉しよう!」と思ったきっかけの一つでした。

相手の課題を把握する

次に、面接で相手に対して交渉するために、私が起こしたアクションについて話していきます。

1回目の面接の際に、先方に私の適性は合っていると判断頂いたようで、前向きな話で進みました。その中で、今回は転職エージェントを通しての紹介だったため、年収の条件面の話になった際に、「出来れば転職エージェントを通さずに出会いたかったですね〜」と、言って頂きました。

その意図としては、(転職エージェントに紹介料を支払うのが痛いなぁ)と、私は解釈しました。一般的には転職エージェントの紹介料は25-30%が相場らしく、今回はさらにビズリーチ経由のエージェントだったため、ビズリーチに支払う分も合わせて、恐らく年収の40%ぐらいが取られるのではないかと予想しました。

年収500万円だとすれば、紹介料だけで200万円です。かなり企業としては痛いですし、実際に採用して適性がなかったり、すぐに辞められると目も当てられません。。

紹介料を払うのが痛いと言う先方の課題が見えたため、これを交渉の材料に出来ないか、考える事にしました。

相手にとってのメリットを説く

2回目の面接の際に、週休3日に出来ないか、交渉してみました。下手をすると、相手の機嫌を損ねて不採用にすらなりそうな、危険な賭けです。そのため、切り出すタイミングと、どう伝えるかは入念に考えました。特に、自分が得をしたいから、と言う理由では相手は納得出来ないと考えたため、週休3日にする事で、相手にどんなメリットが生まれるのか、という目線で考えました。

実際に2回目の面接の際に、相手に週休3日制に出来ないか、交渉したポイントはこちらです。

  1. 今回の採用で大切なのは、労働時間ではなく、”広報活動の成果”である事
  2. 週休3日にすることで複業のブログのノウハウも活かせて”成果”が出せる事
  3. 週休3日にすることで年収が4/5に抑えられ、エージェントへの支払いも少なくて済む事

上記を伝えると、経営者も「なるほど」と納得してもらいました。また、リモートワークも考えていたようで、そちらもお願いし、了承いただきました。

そしてその後、転職エージェントからの条件面の連絡を待つことにしました。

最終的には・・・

結論から言うと、内定は頂きましたがこちらの転職の話はなくなりました。

条件面が合わなかったからです。

2回目の面接の後に、私から転職エージェントに最低希望月収28万円・年収400万円と伝えました。現職よりも年収は下がりますが、週休3日なので時給換算だと1.5倍になる計算です。

そして、相手からの返答は、、

 

 

月収24万円

年収330万円

 

 

という、ショッキングな提示がありました。。(当時30代後半です)

家族もいるし流石にこの条件は飲めないと思い、インセンティブ制度の導入等の交渉もしましたが、折り合いがつかず、断念しました。

リモートワークに完全週休3日はとても魅力的でしたが、年収アップも見込みが難しく、このモチベーションで仕事をするのは相手にとっても失礼と思い、断念しました。

ただ、私が相手に「この給料を払ってもいいから来て欲しい!」と思ってもらえなかったことは、自分の今後の課題として認識しました。

まとめ

今回は残念ながら採用にはなりませんでしたが、相手の課題を発見して、そこから自分が有利なように転職の条件面の交渉をする経験は、大変貴重なものになりました。

今後この経験を活かせる機会が来た時に、完全週休3日制の転職を勝ち取りたいと思います!