Contents
令和元年(2019年度)の全国平均年収について
今回は、2020年3月31日に公表されたばかりの、令和元年(2019年度)のサラリーマンの全国平均年収データを紹介します。
今の自分の年収と全国平均を比較することで、現在の自分の立ち位置が見えてくると思います。
ここでは、10歳代から70歳代以上の年代別の年収や、大企業から中小、中堅企業の年収も記載しているので、きっとあなたの年代、企業規模の平均年収も分かるはずです。
情報ソースも、400万人以上のデータを参考にしている、かなり信憑性の高い内容になっているので、どこがどうやって調査したデータなのかも後ほど詳しく解説いたします。
併せて、年間賞与(ボーナス)、時給換算、年間労働時間など、気になるデータも紹介しますので、是非参考にしてみてください!
結論:平均年収は約500万円(43.1歳)
今回は記事が長くなるため、結論から先に述べさせていただくと、2019年度の
平均年収は約500万円
平均年齢は43.1歳
でした。
年齢別に見ると以下の通りです。
※一番左が男女全体平均
どこから取得したデータなのか、詳細や他の労働実態としてはどうだったのかも含めて解説します。
年収のデータソースについて
このブログでは最も信頼性と根拠があるデータを紹介したいので、「厚生労働省 賃金福祉統計室」が毎年調査、公表している【賃金構造基本統計調査】の情報を抜粋しています。
厚生労働省が長年調査している方法のため、信頼性は抜群で、全国の都道府県、年齢、学歴、性別などのカテゴリに分けた労働実態のデータも収録されています。
毎年の調査サンプル社数(事業所数)は、若干ばらつきはありますが約55,000~57,000社で、従業員数は400万人以上です。
よく転職メディアが独自に調査した年収データを記載していることがありますが、せいぜい数百名から良くて数千名程度のデータなので、400万人以上のデータが収録されているのは、国の調査機関ならではです。
なお、平均年収とよく比較されることがある、”中央値”については、残念ながらこちらには収録されていません。かなり調べましたが、政府が公表しているどのデータにも年収の中央値については収録されていませんでした。
ただし、こちらでは細かな年代別、10名~1,000名規模の企業規模別のデータを紹介しているので、比較的あなたの周りの実態と近い数字になっているのではないかと思います。
詳しくは後半の「あなたの会社規模で比較する、本当の平均年収」を参考にしてください。
では、全国の平均年収や労働実態についての詳細データをご紹介したいと思います。
令和元年の全国平均給料について
■全国平均年収の詳細について
では早速、令和元年の全国平均給料の詳細を紹介します!
[table id=5 /]
※年間労働時間と時給換算は、集計データを元に算出
解説
全体平均は43.1歳で年収約500万円
上記の表の数字は、全国10名以上の組織の正規・非正規雇用・民営・公営など、全てを含んだ平均値です。全国平均だと43.1歳で年収は5,006,900円という結果になりました。全国平均で43歳だとすると、それほど違和感のない結果と言えるかもしれません。
ちなみに一番高い年収レンジは50~54歳で、6,142,700円となっています。これは、この年代に管理職が多く、まだまだ年功序列の文化が残っていると言えるかもしれません。
また、年収が高い割に年間労働時間が平均より低いため、時給換算も最も高い2,994円となっています。能力が低いのに年収が高い、【高給取りおじさん】がまだまだ多いのは、日本の年功序列が生み出したと言えるかもしれませんね。
年間労働時間は2,076時間?
年間労働時間の全体平均が2,076時間で、一番多いのが10代と30~34歳の2,112時間でした。この2,112時間というは、年間休日131日、毎月の残業時間が20時間に相当します。
皆さんの体感として、
「こんなに休みは多くないし、残業も20時間どころじゃないよ・・・これが平均なの?」
と思われる方もいるはずです。
これは私の考察になりますが、このデータは「企業が回答したもの」すなわち、企業内の勤怠管理システムに入力されているデータと言えます。そのため、サービス残業や法規制を超えるような記録に残らない残業は企業側では回答しないはずです。
そのため、この年間労働時間は、サービス残業やブラック企業の過密勤務実態を除いた、表向きのクリーンな数字と言えるでしょう。実態としてはこれよりも多いことは確実ですので、自分と比較して乖離があることはあまり気にしなくて良いでしょう。
じゃあ実際の残業や労働時間はどうなの?という方もいらっしゃると思うので、それについては別の機会で解説いたします。
時給換算すると平均2,412円
全体平均を時給換算すると、2019年の数字としては2,412円になりました。年間労働時間は2,076時間で、月間労働時間は173時間となっています。
※ただし、前述の通り、表向きのクリーンな労働時間で算出しているため、実際はこれよりも低いことが想定されます。参考値として捉えてください。
時給は普段意識することは少ないかもしれないのですが、残業時間や年間休日なども加味した、ワークライフバランスを重視する現代の生き方を見る指標としては、必要な項目と言えるでしょう。
転職するにしても、「年収は上がったけど、残業や休日出勤が増えてキツイ。。」なんて話もよく聞きますし、時給換算すると前職を下回っている可能性すらあります。
実際に、私の周りにも、転職したけど時間の拘束がきつくて元の会社に戻ってきた、なんて話はザラにあります。
ちなみに、時給が簡単に計算できるシミュレーターを作ったので、自分の正確な時給が知りたい方は是非試してみてください。
こちらのシミュレーターで、残業や休日数、会社への通勤時間を加味した上での時給を出すことも出来るので、転職を考えている企業の比較に便利ですよ。
平均年収500万円?乖離してる気がする…
ここまで読んでみて、「それにしてもやっぱり自分や周りの年収と比較してズレている気がする。。」と思った方もいるのではないでしょうか。
上記で紹介した年収や労働時間のデータは、1,000名以上の大企業も含んだ数字となっています。一部の大企業の数字が全体の約40%ほど含まれているため、実態よりも条件は良く見えているようです。
今回数字を比較してわかったことですが、やはり大企業ほど年収も高くて労働時間が少なく(法整備がしっかりしている)、中小企業だと年収も低くて労働拘束時間も長い事がわかりました。
より実態に近いデータが紹介できるよう、もっと掘り下げて企業規模別の年収データも紹介します。
あなたの会社規模で比較する、本当の平均年収
賃金構造基本統計調査の調査データでは、労働者10名以上の事業所が調査対象となっており、調査区分としては、以下のようになっています。
- 10~99人
- 100~999人
- 1,000人以上
- 10人以上すべて(1~3すべて)
最初に紹介した全国平均年収は、4にあたります。
あなたが働いている企業規模の年収レンジも把握できるよう、1~3の区分の年収と時給データも紹介します。
■10~99人の企業
■100~999人の企業
■1,000人以上の企業
比較考察
上記3つで見ると、あなたや周りの人と近い実態がどれか、確認できたのではないでしょうか。
都道府県によってばらつきはあると思うのですが、10~99人の区分か、100~999人の区分であれば、自分の実態と近いものがあったのではないでしょうか。
企業規模別に比較してみると、大企業の待遇の良さが浮き彫りになりました。30歳を超えると平均年収500万円を超え、50歳になると平均年収700万円以上で、もはや人生ボーナスステージです。
エゲツないほどの高待遇ですね!10~99人規模と比較して平均年収は約180万円高く、時給は1,000円もの差があります。
昭和世代からすると、「良い大学に行って良い企業に就職しなさい!」と言われることが多かったのはなんだか頷けます。
この結果だけ見ると、大企業に務めることができれば大勝利ということになりますが、年功序列が崩壊したと言われる今、大企業に務めることが必ずしも正解とは言えないかもしれません。
それに、そもそも人気大企業は入社の難易度も高いので、一般人にはあまり関係のない世界と言えるでしょう。
あくまでも、今の自分の現在地を把握して、一歩上のステージに立つにはどうすればよいのか、時給単価を高めるためにはどうすればよいのか、考えるきっかけになれば幸いです。
まとめ
ここでは2019年(令和元年)の全国平均年収、労働時間、時給などを紹介させていただきました。
あなたの実態と近い、納得の出来る結果だったでしょうか?
改めてまとめに入ります。
- 2019年の全体平均年収は約500万円(43.1歳)
- 平均時給は2,412円だが、労働時間は実態より少ない
- 企業規模の区分別に見ると実態に近い数字が見えてくる
- 大企業の待遇は手厚かった
今後は業種別や皆さまの都道府県別のデータも紹介する予定ですので、参考にして頂ければ幸いです。
一歩上のステージに立てるよう、実態を知って努力していきましょう!