はじめに
いざ転職先が決まった際や、一身上の都合により今の会社を辞めることになったとき、一番最後の出社日のあなたの仕事は何でしょうか?
それは、「お世話になった人に挨拶をする、メールを送る」だと思います。
引き継ぎがある程度終わった最終出勤日に、挨拶をしたりメールを送ることがほとんどでしょう。
お世話になった上司や同僚、部下に取引先の方々など、立場によっては挨拶する人は多岐にわたるかもしれません。
会社の規模や立場によっては関係者が一同に介した最後の挨拶の場で、一言話すだけのときもあるかもしれませんが、特にお世話になった人には個別に挨拶することをオススメします。
会社に不満があって転職する場合も多いと思いますが、思い返せば誰かしらに感謝する出来事があったはずです。
【立つ鳥跡を濁さず】で、後腐れのないようにきちんと恩人にお礼を伝えて会社を去ることをオススメします。
その一番の理由が、「自分が幸せを感じて前にすすめるから」です。
正直、私も「こんな会社辞めてやる!」と働きながら思ってましたし、「辞めるときはひっそりと辞めてやろう」と考えていました。
私は9年勤めていた会社を辞めたのですが、それでもやっぱり最終日くらいはお世話になった人に感謝を伝えようと、関係者数名に直接挨拶をしたり、遠方の拠点にいて直接挨拶できないお世話になった上司にメールを送りました。
そこで感じたことを今回は記事にしたいと思います。
後半では、私が上司に送ったメールと、その返信内容もご紹介します。
どんなメールを送ればいいのか?
私の場合は、会社の本社が東京で、地方の拠点に私がいたので、お世話になった上司はほとんど東京にいました。
オンライン会議で挨拶を持ちかけることも出来ましたが、非常に忙しい部長以上の方々ばかりだったため、挨拶の手段としてはメールを選択しました。
どんな内容のメールを送ればよいのか私も悩み、ネットで退職挨拶メールの書き方に関する情報を調べてみましたが、内容がどうもしっくり来ませんでした。
というのも、どれも感情や感謝が込められていないメールに見えたからです。
例えばこんなものです。
○○事業部○○課 ××様
お疲れ様です。□□事業部の鈴木です。
本来であれば直接ご挨拶をすべきところ、メールでの挨拶にて失礼いたします。
私が中々営業数字をあげられないとき、温かい叱咤激励の言葉をいただいたこと、今でも覚えています。
今後も××部長から教えていただいたことを糧にし、活かしていきたいと思っております。
メール:アドレス
携帯:番号
今まで、本当にありがとうございました。
※出典:エン転職
いかがでしょうか?
自分が上司だとして、このメールを見てどう感じるでしょうか。
一定の感謝は伝わってくると思いますが、何かが足りない気がしませんか?
それは、【具体的なエピソード】です。
長年お世話になった人であれば、窮地を救ってくれたり、悩んでいる姿を見てアドバイスを貰ったときもあるでしょう。
せっかく最後にお世話になった人にお礼を伝えるのですから、具体的な形にして相手に伝えると喜ぶと思います。
バースデーケーキにメッセージプレートがなかったら、なんかもの寂しいですよね?
「何も思い浮かばない!」という方は、その人との出会いやどんな仕事をしてきたか、ゆっくり思い出すといいでしょう。
ここからは私が実際に上司に送ったメールを紹介します。
上司に宛てたメール
私がメールを送った上司は3名いて、ピンチをサポートしてくれた執行役員、会社の人事制度改正の取り組みを一緒にした人事部の本部長、長期プロジェクトでずっと見てくれていた部長の3名でした。
執行役員はメールを送って10分で即レスを頂き、「新たな挑戦を応援します!」と返事をくれました。
長期プロジェクトでお世話になった部長は、返信メールとともに社内メッセージで「今話せる?」と連絡をいただき、思い出話をしたあとに「Facebookやってるから声かけてね!」と言って頂きました。
そして最後に、会社の人事制度改正の取り組みをしたり、個人的にメンターをして頂いた人事部の本部長へ、実際に私が送ったメールを紹介します。
件名:【名前】XXさんへ退職ご挨拶
本文:
XXさん
お疲れ様です。
本日が最終出勤日のため、ご挨拶の連絡をさせていただきました。
ご多忙かと思いますので、メールでの挨拶で失礼いたします。
XXさんにはストレングスファインダーの個別1on1をやっていただいたり、
人事制度改革の取り組みに、オンライン飲みなど、
短い間でしたが濃いお付き合いをさせて頂きました。
オンライン飲みでは、「この仕事は私にしか出来ない!」と言って
会社にジョインされたお話を聞いて、私も「その通りだ!」と思いました。
会社にこれまで一番足りなかったものがようやく見つかった、
と本当に心から嬉しく思っています。
きっと、XXさんや人事制度改革メンバーを中心に、
もっと社員みんなが活き活きと働ける環境にして頂けると確信しています。
その様子が間近で見られないのはほんの少しだけ残念ですが、
風の便りで耳にすると思います。
あと、こちらが次の私の転職先です。
https://www.xxxx.co.cp
※知っているのは極少数なので他言無用でお願いします!
Webマーケティングの企画営業職で、これまで私が携わってこなかった知識が学べることや、
フルリモートでフレキシブルに働ける点、
あとは私のことを必要としてくれている言葉をいただいたことが決め手でした。
将来的にはもっと自分一人でも稼げるスキルを磨いて、
起業もしたいなぁ、とぼんやり思っています。
最後になりましたがXXさんの益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にありがとうございました。
そして、上司からの返信がこちらです。
○○さん
おつかれさまです&おつかれさまでした!XXです。
ご丁寧に連絡をいただき、ありがとうございました!!!
せっかくのご縁でしたのに、短い期間だったことは、そして直接お会いできないままだったことは・・・残念です(>_<)
コロナさえなければ、そちらに必ず行っていたんですけどね〜。出張も、現場に行くのも、大好きなのです。
○○さんは、今までいろいろ考えた上で、ご自分の人生に自分で責任をとりつつ、今回の選択をされたものと思います。
自分の人生を生きるのは自分しかないわけで、誰かが決めたレールに乗るものではないですものね。
だからこそ、とことん考えたら、あとはとにかく「やってみる」しかない。やりましょう、必死で!(^^)
ご存知な気がしますが、「プランドハプンスタンスセオリー」を以下におさらいします。
偶然を必然に。プランドでない、でも行き当たりばったりではない、ご縁がつながる、そんな素敵なキャリアのために。
1.好奇心:新しい学びの機会を模索する(Curiosity)
2.持続性:たとえ失敗しても努力し続ける(Persistence)
3.柔軟性:姿勢や状況を変えることを進んで取り入れる(Flexibility)
4.楽観性:新しい機会は実行でき達成できるものと考える(Optimism)
5.冒険心:結果がどうなる分からない場合でも行動することを恐れない(Risk-taking)
私から見た○○さんの勝手なイメージは、以下の通りです。
1.好奇心:合格!
2.持続性:ここはもしかしたら頑張りどころかな?
3.柔軟性:発想の豊かさとか独自性が◎。さまざまな視点を持つ、という意味ではいろんな人と意見交換していくとよりバージョンアップかも!
4.楽観性:合格!
5.冒険心:ほぼ合格!自身の興味ターゲットには飛び込めると思う。本当に困難なところに飛び込む、火中の栗を拾う、までいけたらベスト。
新しい世界は、困難があって当たり前、と思います。
そこに飛び込んでみようと思った○○さんを心から応援しています!
新しいお仕事が落ち着いたら、ぜひご連絡ください(^^)
100日3ヵ月、かな???
楽しみにお待ちしています!そして私も、その時になにか良いご報告ができるよう、がんばります!
これまで会社を支えてくださって、ありがとうございました。
これからのより一層のご活躍をお祈りしています!
この方は、本当に「人が好き!人の成長が大好き!」という方で、こんな人がこの会社にいたらいいのにな、と思っていた人物を絵に書いたような人でした。
このお返事をもらい、「やっぱり去り際に感謝を伝えることって大事だな」と実感しました。
挨拶メールを送るにあたっての注意点
ここで、挨拶メールを送るにあたっての注意点をいくつかお知らせします。
・誰にどんな内容を送るか、退職の3日前から考えておく
・お世話になった具体的なエピソードを入れる
・最終出勤日に送る
・お昼~15時頃までに送るのがベター
※終業時間ギリギリに送ると相手からの返信が見れない可能性があるため
・相手から返信が来ても来なくても良い内容にしておく
※相手も業務で忙しい可能性があり、当日見れない可能性があるため
・感謝の気持を込める!!
せっかく挨拶メールを送って、相手が返信をくれたとしても、すでに自分が退社していて見れないかもしれません。
また、夕方の遅い時間にメールを送ると、きっとメールを受け取った相手も、「返信したい!けど〇〇さん、もう帰っちゃうかな?」と思って、返信するかどうか迷うと思います。
メールを見た相手が返信できる余裕のある時間帯に送ることと、業務時間中に相手がメールを見れなかったとしても、相手の返事が必要ない文面にしておいたほうがいいでしょう。
また、個人的に繋がっておきたい場合は、文面に自分の個人メールアドレスも入れておくのもありです。
そして何より、感謝の気持ちを、心を込めて書くようにしましょう。
まとめ
以上、最終出勤日にはお世話になった人に感謝を伝えよう、ということを書かせていただきました。
嫌な上司や面倒な同僚、仕事が上達しない部下など、退職前は色々と思うところはありますが、それでもやっぱり最後はきれいに去るのがいいでしょう。
過去に転職したときにも、理不尽なパワハラを受け続けた上司に退職の挨拶をした時に、後腐れなくスッキリと辞めることが出来ました。
相手のために、というよりも自分のために「感謝を伝える」ことができると、前向きに次の職場に気持ちを向けることができるでしょう。
あなたも、最終出社日に【恩人に感謝の気持ちを伝える】のはいかがでしょうか?